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秋の七草とは?時期や種類と覚え方。お粥で食べられる?

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秋にも七草があるってご存知でしたか?

いえ、春夏秋冬、どの季節にも七草があるとかないとか…

その中でも今回は気になる秋の七草について、

  • 秋の七草の時期はいつごろか
  • 秋の七草の植物は?
  • 食べられるのか?
  • 七草の覚え方

など、あまり馴染みのない秋の七草について、調べました。

秋の七草の時期とはじまり

秋の七草 女郎花

秋の七草の時期は?

秋の七草は「9月の中頃から末くらいの初秋の時期」になります。

 

万葉集で読まれるくらいに古くから親しまれている秋の七草ですので、もちろん現代のカレンダーの秋ではなく、旧暦の秋を考えなくてはいけませんね。

旧暦での春夏秋冬は

  • 春 1月~3月
  • 夏 4月~6月 
  • 秋 7月~9月
  • 冬 10月~12月

このようになっています。

7月から9月というと現在では夏真っ盛りで秋という風情では有りませんが、実は中秋の名月も旧暦の8月15日ということも有り、やはりこの時期を秋と感じたほうが良いようです。

 

秋の七草のひとつ、「スキ」にはまだ少し早いのですが、桔梗の紫の花や女郎花の黄色い花が咲き誇っていますし、花々が鮮やかに咲いているこの時期が秋の七草の時期と言えそうです。

 

秋の七草のはじまり

 

秋の七草はどうして始まったのでしょう。

それは、まだ旧暦が使われた頃、万葉集が綴られた頃にはじまります。

 

万葉集には山上憶良が詠んだ2つの歌があり

「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」

「萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 おみなへし また藤袴 朝貌の花」

この歌の「七種(ななくさ)」という部分から、秋の七草が始まったという説が有力です。

二つ目の歌には、7つの植物の名前が歌われていますね。

 

万葉集の頃は旧暦、例えば旧暦の9月は今の10月頃、秋まっただ中ですね。そんな秋の頃に野を眺めているとススキが有り萩の花が咲き乱れていたり、なでしこが美しく咲いていたりと、秋の花たちが鮮やかに咲いている様子が浮かびます。

当時は自然の中にまちがあり、人が住んでいるという様子でしたでしょうから、野花たちが自由に咲いていたことでしょう。そんな野の様子をゆっくりと詠まれた詩だったのだと想像します。

 

秋の七草とは何をさすの?

秋の七草とは?

秋の七草は

  • 女郎花(おみなえし)
  • 尾花(おばな・ススキのこと)
  • 桔梗(ききょう)
  • 撫子(なでしこ)
  • 藤袴(フジバカマ)
  • 葛(クズ)
  • 萩(ハギ)

この7種類です。

いずれも旧暦の秋(7月から9月)に咲く花になります。

 

女郎花(おみなえし)とはどんな植物?

秋の七草 女郎花

オミナエシというお花は初めて聞く名前ですが、このお花、結構見かけるのではないでしょうか?

お花の期間は7月上旬から10月と結構長く、全国の山野に生えているようですので、散策の時に見かけたことがあるかもしれません。この聞きなれない名前の由来は「美女を圧倒するような美しさ」から来ているようで、この感じを充てられるようになったのは平安時代とのことです。

ちなみにオミナエシ科男郎花(おとこえし)という白いお花もあるとか。なるほど、「おみなえ」というのは女性という意味だったのですね。

女郎花は食べられるかどうかですが、 根っこが漢方薬として使われているそうですので、きっと....でも判りません。

女郎花は8月16日の誕生花で花言葉は「約束を守る」です。

尾花(おばな)とはどんな植物?

ススキ 秋の七草

秋の七草のひとつの尾花とは、秋と言って思い出す植物のひとつ「ススキ」のことです。正に秋という感じがしますので七草のひとつとしてぴったりですね。でも、これは見るからに食べられそうもありませんが、どうでしょうか?

食べられるかどうか調べる時にぴったりなのがクックパッド、あらゆる食材が胃袋の中に収まっていることを確認できますが、果たしてその中にススキはあるのでしょうか?

有りました:;(∩´﹏`∩);:

ススキはイネ科の植物でいくつか種類はあるそうなのですが、どれも毒は無いようですので食べられるそうです。食べ方は天ぷらが良いみたいですね。私は天ぷらやさんのメニューに有ったら食べるかもしれませんが自分で食べようとは思いません(笑)

 

桔梗(ききょう)とはどんな植物?

秋の七草 桔梗

 

桔梗の花は鮮やかな紫色で5角形の可愛い花ですので私もとても好きです。この花は日本各地に咲いていますが、絶滅危惧種だそうです。そういえば、野山では見ない気もしてきました…。

一番最初に紹介した万葉集の詩には「桔梗」という言葉は出てきませんが、「朝貌の花」というのがこの桔梗ではないかと言われていて、秋の七草となっています。

桔梗は根っこが生薬として利用されているそうですが、一般に食べられているかというと全くそういう話は聞いたことがありませんので、食べられる食べられないかは判りません…。というわけで、私は食べません!

 

撫子(なでしこ)とはどんな植物?

撫子 秋の七草

撫子には300種もあるそうですか、そのうちヒメハマナデシコとシナノナデシコが日本固有の種だそうです。恐らくですが、万葉集で詠われた撫子の花はこのどちらかだと考えられます。

撫子はこんなに可愛い花だったり言葉の感じも可愛いので様々な文学に使われいて、例えば万葉集であったり枕草子、そして源氏物語では撫子の異名である「常夏」という名前で使われているそうです。「常夏」は撫子だったんだとさっき知りました…。何時の世でも愛されるお花だったのですね。

なお、食べられるかどうかは不明です。

藤袴(ふじはかま)とはどんな植物?

秋の七草 藤袴

このお花はよく見かけますので知ってはいたのですが、藤袴という名前は初めて知りました。本州から九州の各地に分布しているようで、九州の田舎に住む私にとっては秋のお馴染みの花となっています。近づいて匂いをかいでみると、私が好きな香りが漂ってきます。藤袴の香りはとても好きです。

この藤袴も万葉の頃、源氏物語の頃から愛されているようです。

なお、毒性があるので食べたらいけません!

 

葛(くず)とはどんな植物?

秋の七草 葛の花

葛といえばくず餅をすぐに思い出してしまいますが、お花はこんな色をしていたのですね。

葛も全国にぶんぶするツル科の植物で根本は直径20cmにもなり、つるの長さは10m以上になるそうです。根本だけ見たらもうすっかり木と間違えてしまいそうです。繁殖力が旺盛で人工林では厄介者だとか…。

でも、その根っこのデンプンからは葛粉が作られ、各地で利用されているようです。吉野葛とかとても有名ですね。あと、とても透明でプルプルとした葛餅がアメリカで注目されているとも聞きました。

 

萩(はぎ)とはどんな植物?

秋の七草 萩の花

萩はわりとおなじみの花で色んな所に咲いていますね。ただ、それが萩だとご存じない方も多いかと思います。実は私もそんな1人でした。野山に出掛けた時だけでなく、ちょっと田舎を歩いているとよく見かけます。萩には数種類あるようですが、内陸のものはだいたいヤマハギ(山萩)のようです。

萩も古来から日本人に親しまれていたようですね。秋の七草が詠まれている万葉集でも、良く詠まれている花だそうです。

ハギの花も食べるなんて聞いたことがありません!(笑)

 

秋の七草の覚え方!

春の七草の場合は言葉の調子に乗ってスラスラっと覚えることが出来ますが、秋の七草には春の七草と同様に覚える方法があるのでしょうか?

どうやらスラスラと覚える感じではなくて、その頭文字を取って覚えるようです。

秋の七草の覚え方は

「おすきなふくは」
みなえし
すき
きょう
でしこ
じばかま

「お好きな服は?」かな?

秋のファッションが気になってきたら
秋の七草も思い出してあげて下さいね

秋の七草は食べられるの?

答えは

食べられるものもあるけど食べられないものもある

です。

ですので、春の七草のようにすべてを細かく切ってお粥にして美味しく食べるということは出来ないようです。理由は、上の項にも一つづつ書きましたが、

・女郎花(おみなえし)
根っこが漢方薬として使われる
・尾花(おばな)
食べられる。天ぷらが美味しい
・桔梗(ききょう)
根っこが生薬として使われている
・撫子(なでしこ)
不明
・藤袴(フジバカマ)
有毒
・葛(クズ)
根っこが生薬として使われている他、含まれるデンプンから葛粉が作られています。
・萩(ハギ)
不明。当然お萩とは別物!

 

このような感じです。ごく一部食べられるのですが、なんだか食べ無さそうが良さそうな感じがします。秋の七草は食べられる七草粥には出来ませんので食べないでおきましょう。

だけど、くず餅は美味しいですし、それだけは食べたいところですね。というわけで

秋の七草には葛餅

秋の七草の時期には、葛餅を食べる

というのはいかがでしょうか?

秋も美味しく過ごしましょうね!

 

おわりに

春の七草に比べるとなんだか聞き慣れない秋の七草ですが、その謂れや一つ一つのお花のことを調べていくとなかなか面白いですね。

ただ、全部を美味しく食べられないということが残念なのですが、私たちには美味しい葛餅という食の文化があるということを思い出すことが出来ました。昔の人達は何か楽しめることをちゃんと用意してくれていたのですね。

徐々に涼しくなっていく秋、秋の七草をお部屋に飾り楽しんでいきましょうね。

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