「アジサイの葉には毒があります」
梅雨に時期にときどき耳にするのですが、それが本当なのか、本当だったらどのような症状や症例があるのかをまとめました。
紫陽花の葉を食べるとどうなる?
紫陽花の葉に毒があるのは本当のことです。
食後、30分から40分で「嘔吐やめまい、顔が赤くなる顔面紅潮」が現れます。
実際に日本でも2008年に9人が居酒屋などで出された「刺身のツマ」等を食べたことによりに食中毒の症状が出てしまいました。このときは、一皿に2枚の紫陽花の葉が添えられていたそうで、これを食べなかった方には症状が現れませんでした。
この紫陽花食中毒事件の時は幸いなことに重症にはならず、2日ほどで回復されました。
【参考pdf】アジサイの喫食による食中毒事例(厚生労働省)
「濃い」甘茶で中毒が起こったことがある
甘茶をご存じの方も多いと思います。よく飲まれるのはお釈迦様の誕生を祝うお祭りである「花祭り」ですね。
実は以前に「濃く出した甘茶」での食中毒事件がありました。
この甘茶はアジサイ科の植物であるアマチャの葉を蒸してお茶にして飲むものです。
私も飲むことがあります。
それまで毒性はないと考えられていたのですが、濃すぎた甘茶を飲んでしまっ児童が集団食中毒になったという事件がで2009年の岐阜と2010年の神奈川でありました。この時も全児童が1日程度で快方に向かったようです。
それ以降、厚生労働省でも、濃い甘茶を避けるよう呼びかけられました。
では、このような食中毒を起こさないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。
中毒症状を起こさないようにするための対策
これは、単純に「紫陽花の葉を食べない」ということに尽きますね。
料理、特に刺身のツマなどで青い紫蘇の葉を見かけますが、紫蘇のかわりに「旬の葉っぱ」として紫陽花の葉を添えられる可能性も考えられます。
とくに、年配の方だとツマも残さずに食べられる方もいらっしゃいますので、是非ご注意下さい。
アジサイの毒は何か?致死量は?
私の場合ですが、アジサイの毒は「青酸性の毒」と聞いたことがありますし、何かの本で読んだ記憶もあります。もしかしたらそういう方も多いかもしれませんが…
しかし!
実は、2017年4月の時点では、アジサイを食べたことによる中毒症状が何が原因で怒るのか判明していません!
簡単に言うと、一体何故アジサイを食べたら吐き気やめまいがするか解っていないのです。
厚生労働省によると、中毒を引き起こす毒が一体どのようなものかは分っておらず、一般的に言われている「青酸性の毒」かどうかも含めてわからないようです。
ということですので、致死量についても「どの成分による中毒か?」がわからないと、答えられません。
大量に食べるとなれば危険なのかもしれませんが、少量では命にかかわるようなそれほど酷い毒ではないということで研究が進んでいないのでしょうね。
日本原産であり種類も多いアジサイですので、これからも「毒がある」と知らない方が食中毒を起こされるかもしれませんので、是非研究を進めていただきたいところです。
紫陽花食中毒を起こさないために
紫陽花を食べない
この事が一番大切です。
ですが、「紫陽花には毒があるというのは常識でしょ」という言葉には注意が必要です。
常識とは、それを見聞きして知っている人のみの知識ということであり、きっかけがなくて、聞いたことが無い人にとっては常識ではありません。
「アジサイに毒がある」は常識でしょうと言う前に、国や報道は、食中毒を起こす原因の成分は解っていないということも含めて、きっちりと国民に周知して欲しいものですね。
赤ちゃんにハチミツを与えていたという悲しい事件もありましたし…。